サジェク最新情報:救援物資配布と被害者の状況について
サジェク最新情報:救援物資配布と被害者の状況について
(2008年6月6日、現地情報)
サジェク襲撃事件についてのリンク:
http://daily.jummanet.org/?eid=768531
バングラデシュの人権NGO、Ain-O-Salish Kendra (法律・慣習法センターASK)事務総長スルタナ・カマールさん率いる市民社会グループはサジェク事件の1週間後の4月28~29日に事件現場を訪問した後、ジュマ・ネットからの100万円の支援の約束、オーストラリア在住ジュマ民族から2000ドルなど国内外ジュマの寄付を受けて、5月20日にCHT北部カグラチョリ町で救援物資を調達し、5月21日に衣類と食品、そして500キロ分の海老発酵ペースト(ガピ、シドル)をトラック一台でサジェク地区まで運搬し、ジュマの被害者、約70世帯に配りました。特に重要な調味料・蛋白源である海老発酵ペーストは大変喜ばれたそうです。穀類トラック2台分、約20トンも配布する計画でしたが十分な量の穀物をカグラチョリ町で確保できず、延期されました。
このほか、陸軍が各被害者世帯に現金500タカと米5-6キロを配った以外は支援が入っておらず、事件の被害者は、ビニールシートなどを張った掘っ立て小屋などで仮住まいをしており、大変厳しい状況が続いています。このまま雨季(6月ごろ~10月ごろ)に突入すると雨風を凌ぐことができなくなるので、家を再建するためにトタンを支援してほしいと口々に訴えていたそうです。
訪問団は道中でカグラチョリ町でもバガイハット町でも私服警官などに付きまとわれ、バガイハット町では事件で被害を受けたと主張するベンガル人入植者たちに行く手を阻まれました。彼らは、被害にあったとされる入植者130世帯のリストをスルタナさんに差し出し、自分たちにも支援してほしい、事件を起こした先住民族テロリストの処罰を政府に働きかけてほしいと陳情したそうです。これまで、新聞報道も2つの市民調査団も入植者側にそれだけの被害が出たことは把握しておらず、こうした行動の背後に「見えない手」が動いていることが推察されます。
市民社会グループは、6月20日ごろに2回目の救援物資配布を計画しています。デンマーク国際開発局(DANIDA)やNGOにも支援要請を行っており、十分な資金が集まれば、住居再建用のトタン、穀物、そして子どもが学校で使う資材などを配布する予定です。一世帯につき、トタン二束(一束は6000タカ=約1万円ほど)あれば、竹や木材など他の資材は地元で入手できるので、最低限の住居を再建することが可能とのことです。入植者からの抗議活動などトラブルを避けるためにも、次回は退官した最高裁判事を団長にすべく調整しており、現地行政とも十分協議した上で実施する予定です。
お問合せ先:ジュマ・ネット
〒110-0015
東京都台東区東上野1-20-6 丸幸ビル5F
電話:03-3831-1072 FAX:03-3831-1072
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