インド・アッサム州での活動紹介
インド北東部には、7姉妹州と呼ばれる地域が存在します。中央部からは細い回廊を通してしか繋がっていない地域ですが、そこには多くの「民族」が居住しています。しかしそれは同時に、そこには対立や政治的課題が残っていることも意味します。
ジュマ・ネットは、7州のうち、アッサム州においてプロジェクトを行っています。
アッサム州では、英領植民地時代、そしてインド・パキスタンが分離独立した1947年など、多くの移民や難民が流入しました。そこでアッサム州は、市民登録簿と呼ばれるリストを国勢調査に基づいて作成しました。しかし、これが問題の種となりました。
実は、英領植民地時代、ベンガル地域からムスリムが開拓移民として入植していたのですが、インド・パキスタンの分離独立前からの居住者はインド市民であり、アッサムに居住する権利があると認められ、分離独立以降の移住者は外国人とみなされ、追放の対象となりました。ここで、アッサムでは「外国人」に対するアンチ機運が高まり、これまで暴動も発生しました。そのターゲットは主に植民地時代にベンガル地域から移住したバングラデシュ人であり、2千人が虐殺される悲劇もおきました。また、先ほどの市民登録簿において、外国人と疑いをかけられたものは、選挙権を停止され、証明をしない限り拘留所に送られてします恐れがあります。政治的な圧力も加わり、ここでもムスリムが多くの犠牲を強いられている現状があります。さらに、2019年に更新された名簿において、約190万人がリストから外されるという事態がおきました。ある日突然自分が外国人とみなされ、権利が剥奪される。皆さんは信じられるでしょうか。
そこでジュマ・ネットは現地NGOや弁護士と協力し、「児童教育活動」「収入向上活動」」「情報メディア活動」を支援しています。手工芸品作りに加えて、女性の権利、家庭内暴力に関するセミナーも展開しています。
今後は、名簿から外された人々のネットワーク作りや裁判支援などを通して、「声をあげる」ケースを作り出していくことが必要です。すぐに政策を変えることは難しいですが、現地と協力して変化を起こしていくことは必須であると考えています。