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チッタゴン丘陵とロヒンギャ難民問題 4つの懸念

「チッタゴン丘陵大丈夫ですか?

ロヒンギャ難民問題が深刻になった2017年9月。何人もの人から「チッタゴン丘陵大丈夫ですか?」と聞かれた。たしかに、チッタゴン丘陵のすぐ近くでおきているし、仏教徒はイスラム教徒の敵と決め付けられ、肩身の狭い思いをしていないだろうか?ロヒンギャ難民が大量にチッタゴン丘陵に流れ込んできたらどうなるかと考えるのは当然の心配だと思う。

 

結論を先に言えば、これまで私が見聞きした範囲では、大きな問題には発展していないと言える。しかし、これは「とりあえず」と答えるしかないだろう。なぜなら、双方は長く抑圧的な政治構造におかれ、「火 薬庫」的な状況に置かれてきたからだ。

 

 


ロヒンギャ問題からくる4つの懸念

 

 

 

ネット上の情報を見ていくと、いろいろな記事が飛び交っている。どれも「ありえそう!」と考えてしまうものばかりだ。小さな形ですでに発生しているものもある。それを少し整理してみたい。

 

 

 

懸念①「チッタゴン丘陵のベンガル人イスラム教徒がジュマの人々をロヒンギャの報復として襲う」

 

 

実際に数件の暴行事件やハラスメントが起こっている。地元警察が危険を察し、寺院の警護などを積極的に行なって、その後大 きな事件には発展していない。

 

 

 

懸念②「ロヒンギャ難民が大量に入ってきていないか」

 

ロヒンギャ難民のチッタゴン丘陵への流入を バングラデシュ政府は懸念して、2017年10月に、1万5千人の難民をコックスバザールに強制的に移動させている。その後もチッタゴン丘陵への流入を抑えている。

 

 

 

懸念③「バングラデシュのジュマの人々がミャンマーのロヒンギャの居住区に移住していく」

 

そういった事実があったとする報道が数件されている。ただ、世帯数からすると100世帯程度で、大きな動きとは言いがたい。ただミャンマー政府の内部には、こうした 意図を持っている者がいないといえない。今後注視していく必要があるだろう。

 

 

 

懸念④「ミャンマーのイスラム・ヘイト運動にチッタゴン丘陵の仏教徒が感化される」

 

ミャンマー国内で、仏教僧らが中心となる広範囲なイスラム・ヘイト運動が発生しており、政治的な力を持っている。これらが、チッタゴン丘陵の仏教僧に伝播していかないかという懸念がある。ネット上でも「ミャンマー仏教僧、ジュマの寺院で特殊訓練を実施している」といった物騒な記事がある。

 

 

 

アメリカの学者が「チッタゴン丘陵のジュマとラカイン州のロヒンギャを入れ替える交渉してみてはどうか」という提案をしたという新聞記事も読んだ。一見合理的と思える発想だが、定住してすでに数世紀が立ち、資産、人間関係、文化的資産はその国にすでに入り組んで存在している。現地のリアリティを持たない発想だ。またジュマの人々は決してミャンマーにルーツがなく、インド側のルーツをもつ民族もいる。長くここで抵抗してきたジュマも、独立国を主張したわけでなく、あくまでもバングラデシュ国内での自治権を主張していただけである。

こうしたフェイクめいたニュースの是非を現地ジュマ活動家に連絡して、真偽を確認してみた。「どの情報も大げさで、関心をもたせるために創作されたイエロー・ジャーナリズムだ。チッタゴン丘陵では、バングラデシュ政府の意識的な働きもあって、そこまで深刻な状況にはなっていない。だだ、どれも可能性は残っている」といった落ち着いた反応だった。ジュマ・ネットとしても今後、慎重に動きを追跡していきたい。

                                                     (ジュマ・ネット 下澤嶽)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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