
ダッカでベンガル人とジュマの衝突
首都ダッカにおいてベンガル人とジュマの人々の間で衝突が発生し、負傷者が出ています。
きっかけは、教科書から「先住民」という表現の削除を巡ってベンガル人、ジュマのそれぞれの集団が抗議運動を行ったことから始まりました。9年生と10年生の教科書から削除され、今回の衝突に至りました。
「先住民」という言葉はバングラデシュにおいてセンシティブな意味を持っています。ジュマの人々は自らの権利を主張する根拠として先住民性を掲げるアプローチを取ることが多く、一方のバングラデシュは先住性を認めず、少数民族という定義を行ってきました。
先住民であることを認める=政治的な権利要求の根拠となる傾向にあり、争点化しやすい性質を持っています。
そうした背景をもった文脈であったことから、両集団の小競り合いが結果的に暴力にまで至ってしまったと思われます。記事からは9名の負傷が明らかになっていると共に、SNSでは負傷した人々の様子が拡散されており、緊張感が高まっています。
事態は落ち着きつつあるとされていますが、これ以上悪化しないことを願います。
一方で、教科書から「先住民」に関する表記が削除された点は重要かと思われます。
記事では、「学生団体が教科書に先住民族という言葉や、インド分割前の地図を掲載した関係者の処罰を求める5つの要求を掲げた」と書かれています。
特に、この要求が反映された背景に野党の動きが絡んでいるのかという点や、主体となっている集団のバックグラウンドなどは、引き続き情報収集と検討が求められます。
<参照>
英語記事)https://en.prothomalo.com/bangladesh/k9jaxg8o20
ベンガル語記事)https://www.banglanews24.com/nati…/news/bd/1455298.details